養老山地と鈴鹿山脈の間の谷を流れる員弁川。その東側の段丘面、台地上に「六把野井水」が桑名藩主本多忠勝の手によって敷設されたのが1635年のことでした。

員弁川の沖積低地から北東側の養老山地側が一段高くなって台地状になっています。その間に、三岐鉄道北勢線が通っています。

現在も台地上の農地を潤す灌漑用の水路として、六把野井水は現役で員弁川の水を供給しています。

その六把野井水を北勢線が跨ぐ拱橋(拱にはアーチの意味があります)が、六把野井水拱橋です。

さてこの六把野井水拱橋、土木学会選奨土木遺産として2009年に登録されています。

国内唯一のコンクリートブロックによる「ねじりまんぽ」構造の拱橋として、現役の井水を跨ぐ現役の鉄道橋梁として現在に至っています。
北側に取り付けられた銘板。大正5年竣功。

見事に斜行したねじりの構造。ちょうど煉瓦からコンクリートへの転換期に建造されたものでしょうか。煉瓦による「ねじりまんぽ」の例は数多く現存しますが、コンクリートブロック製はこの六把野井水拱橋のみということです。これ以降に建造されたねじり構造が見られない点は、強度的に鉄筋コンクリートで問題なくなったからなのでしょうか。
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